感染症治療薬ファシジンの基礎知識

トリコモナス症とは、トリコモナス原虫が原因で起こる感染症で、感染部位により腸トリコモナス、口腔トリコモナスなどと呼ばれ、生殖器に感染し病原性を示すものは膣トリコモナスだけです。膣トリコモナスとは、性交によってのみ感染するのではなく、タオルや浴槽、便器などからも感染し、幼児への感染もあります。妊婦から新生児への垂直感染の可能性もある病気です。男性にもトリコモナスが感染することがあり、排尿時の痛み、性器に熱やかゆみが発症することがあります。女性のトリコモナス感染では、膣からのオリモノやかゆみ、悪臭などが発生することがあります。トリコモナスの症状は約3週間でなくなりますが、菌自体が体内に生き続けるため、性交時にパートナーにうつしてしまうことや、放置すると「前立腺炎」などの原因ともなります。

ファシジンとは、トリコモナス膣炎を治療するお薬です。ファシジンは膣トリコモナス原虫を殺虫し、発育を抑える効果効能があります。ファシジン500mgの有効成分であるチニダゾールは、この二本鎖を切断して機能障害を起こす働きを持ち、その結果として細胞の分裂が妨げられることで細菌の増殖が抑制され、膣トリコモナスには対しては殺虫的に、またバクテロイデス属、ペプトコッカス属、ペプトストレプトコッカス属、クロストリジウム属などの嫌気性菌には抗菌力を示します。他にも原生生物が原因となって引き起こされるアメーバ赤痢やジアルジア症の原因となる鞭毛虫の一種であるランブル鞭毛虫にも有効とされています。

性病や感染症に対するお薬はたくさんありますが、そのうちジスロマックとファシジンについて比較していきます。ジスロマックはアジスロマイシンという成分で形成される、皮膚感染や性交渉などによる様々な感染症に対する薬剤となります。一方のファシジンはチニダゾールという成分のお薬で、膣トリコモナス感染症の治療薬となります。また双方の薬剤についても数種類のジェネリック医薬品も登場しているため、その効能効果と費用を勘案し、比較検討することも重要です。また類似品や模造品も多く出回っているため注意を要します。